刑務所で初めに行く場所、新入訓練工場とは

裁判の判決で実刑判決で懲役刑が確定すると、その日から刑を務めることになります。

 

懲役刑は刑務所で労務作業を行うという刑罰です。

 

自分がどの刑務所へ移送されるのか決まるのに2週間くらい時間がかかります。

 

移送先の刑務所が確定されるまでの期間を新入訓練工場という工場で過ごすことになります。

 

これが刑務所生活で初めに行く工場となり、全受刑者が初めに通る場所です。

 

本日は、私の実体験をもとに新入訓練工場について解説していきます。




刑が確定してから新入訓練工場へ行くまでの流れ

裁判の判決が出て懲役が確定したら、その日より受刑者となります。

 

拘置所から刑務所へと移送されるのですが、初日は独居房に収容され自分の経歴などを提出し、翌日から新入訓練工場へ移動します。

 

私がいた拘置所は刑務所と同じ施設内の為、移動は外に出ずに移動しました。

 

刑務所施設に移動後、所持品や荷物を預け、囚人服に着替えてから独居房に入りました。

 

初日は独居房での生活

拘置所から自分の所持品を持って、刑務所へ移動し、持ち物検査等を得て独居房へ移動します。

 

独居房はシングル布団1枚分の広さと、トイレと洗面所がついている程度の広さです。

 

部屋に入ってから、履歴書のような用紙に学歴や職歴、持っている資格などを記載します。

 

この際の経歴や新入訓練工場での生活態度を見て、後日の配属先の工場(作業する職種)が決められると思います。

 

自分の経歴を書き終わると、お菓子メーカーの簡単な紙袋を折る刑務作業を行いました。

 

誰でもできるような、単純な作業でしたが無心になれ、夕食の時間まで過ごすことができました。

 

翌日は独居房から新入訓練工場での生活が始まるため、就寝時に緊張していたことを思い出します。

 

新入訓練工場での生活

翌日起床し朝食後に、新入訓練工場へ移動しました。

 

工場へ入ると、担当台(担当刑務官の机)に呼ばれ、氏名と自分の囚人番号を告げて、自分の作業台へ案内されました。

 

新入工場には、他の受刑者が30名程度居いましたが、周りをキョロキョロと見渡すような行為は禁止されているため、よそ見をせずに担当台へ向かいました。

新入工場で、作業中によそ見やわき見をした場合、担当刑務官から吐くほどしごかれます。

 

新入訓練工場でも、独居房で作業したお菓子メーカーの紙袋を作る作業を行いました。

 

地獄の行動訓練

ここでの生活は、基本的な刑務所生活と変わりませんが、一点大きく違うのが

新入訓練工場では、ただ刑務作業を行うだけではなく、これから刑務所生活を送る受刑者の訓練を行います。

 

刑務所の基本的な1日の流れはこちらの記事に詳しく解説しています。

【第3話】刑務所に入るまでの流れ 有罪判決から刑務所への移送

2018年8月18日

 

具体的には、刑務所内での移動方法についてを叩き込まれます。

 

工場全体での歩行訓練を中心に行いますが、イメージは軍隊の行進です。

 

刑務官の「気を付け」の号令(怒鳴り声)で背筋をピンと伸ばし、”バシン”と音が鳴るように中指を伸ばした状態で太物の側面へ素早く手を付けて、かかとをつけて気を付けを行います。

 

この時に一人でもテンポが遅れると、刑務官から罵声が飛んできて何度でも全体でやり直しさせられます。

 

全体が綺麗に揃ったら、今度も刑務官の「足踏みはじめ」号令で、その場に立ったまま、足踏みを始めます。

 

足踏みの号令は、号令をかける役割の囚人が「イチ、ニ」と号令をかけると、全体で「イチ、ニ」と復唱します。

 

この「イチ、ニ」の号令と共に、膝と手を交代で90度になるように高く振り上げる必要があり、直角にする必要があります。

 

この軍隊の行進のような歩行訓練をその場で、10分以上がワンセットで行われ、一日何度も繰り返し行います。

 

新入訓練工場は、半分が作業半分が行動訓練という感じです。

 

この行動訓練は、出せる限りの大きな声で「イチ、ニ」と叫び、足と手を素早く直角に上げ下げを繰り返すため、かなり過酷です。

 

7割程度のランニングを叫びながら、刑務官が「止まれ」と号令を出すまで続けるので、終わるころには息が切れ汗が飛び散っている状況です。

 

この行動訓練は、体力をかなり消耗し中には途中で吐きに行く人もいるくらいでした。

 

新入訓練工場の囚人全員この行動訓練に恐怖を感じていました。

 

舎房(部屋)での生活

部屋は雑居房と呼ばれる、1部屋に6人くらいの共同生活になります。

 

ここでの生活は2週間程度なので、同部屋の囚人は拘置所で同じだった人などがいることや年月の上下関係も少なく、比較的快適な生活でした。

 

刑務所では、夕食後から就寝時間までテレビを見ることができるので、部屋ではテレビを見たり同部屋の人と話したりして過ごします。

 

部屋内での会話は主に以下5つのトピックスでした。

  • 担当刑務官の悪口
  • 行動訓練の愚痴
  • 自分がどこの刑務所に行くのか
  • どの工場に行きたいのか
  • 嫌いな人の悪口

行動訓練以外は落ち着いて生活ができていたと思います。

刑務所への移送

新入訓練工場で2週間のシゴキ生活が終わると、自分の収容される刑務所が確定し、移動することになります。

 

収容される刑務所がどのように決められれているかは下記の詳しく書いています。

刑務所の基本的な1日の流れはこちらの記事に詳しく解説しています。

【第3話】刑務所に入るまでの流れ 有罪判決から刑務所への移送

2018年8月18日

私の場合は、移動手段は普通の電車でした。

 

服装は私服なのですが、手錠をかけられ刑務官と一般の方たちと同じ指定席に乗るため、改札・駅のホーム・電車内で一般の方たちと一緒になります。

 

一番辛かったのは、同じフォームで電車待ちをしている、親子連れの子供に手錠をかけられて移送される姿を見せてしまったことです。

 

なんだか、お子さんや親御さんに申し訳ない気持ちになりました。

 

あの時の光景と気まずさは今でもはっきりと覚えています。

 

同じことを2度と繰り返さないと思った一つのエピソードでもあります。

 

それ以外は、電車でお弁当をいただき4時間前後の移動も問題無く、無事にこれから長期刑務所生活を送ることになる、刑務所へ着きました。

 

YB刑務所での生活については、こちらの記事をご覧ください。

【YB刑務所の中】訓練工場での生活

2020年1月6日

まとめ

  • 新入工場訓練は2週間行動訓練という名の仕事気を受ける工場でした
  • 行動訓練は地獄の辛さでした
  • 部屋での生活は平和でした
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ABOUTこの記事をかいた人

prison372

4年6か月の刑務祖生活後、社会復帰を果たし逆境で学んだことを生かして更生する。 現在は、自分の会社を経営し家族とともに幸せな生活を過ごす。 このサイトでは自分と同じ境遇の方たちでも、努力すれば必ず成功できるということを 自分が実施してきた、逆境を跳ね返し夢を実現させるノウハウを提供します。